韓国女性に恋した話③
ここまで脱線しすぎてしまった。
色々あって、いまは大学院にいる。
大学院では短期の留学をしたいと思っていた。
今年の9月。留学決行。場所は北米だ。
同じ大学から10名とちょっと参加した。
私のクラスでは6割日本人、3割韓国人、他 といった具合であった。
韓国人のすべては社会人であり30歳前後から40歳手前である。
その内の一人に彼女がいた。金髪のいかにも韓国美女といった装いだ。
はじめはただ単に綺麗な人としか思っていなかった。
しかしながら、1週間が経とうとしていた頃、ステイ先が近いことに気がついた。
私は、話題程度に「家が近いね」なんてことをいった。
その時クラスでの飲み会も数日後に控えており、クラスが終わったあとに連絡先を交換した。一人のクラスメイトとして。
しかし、その夜、彼女から、「暇だから散歩しない?」と連絡があったのである。
綺麗な女性からの誘い。これを喜ばない男はいないわけで、私も二つ返事で承諾したものである。
しかしこの当時は単に英語の練習がしたい。という気持ちが勝っていたと思う。
私のステイ先がひどいもので、受け入れることによってえられる報酬で生活しているような家庭であった。
そのため、部屋にいるよりも外にでたいのである。
家から徒歩で5分。9月にもかかわらず冷え込んだよる。ここは星が綺麗だ。
散歩中お互いの国の話を良くしていたと思う。お互いに全然その気もない。
ほんとにクラスメイトのひとりという扱いであったし、私も特別な感情もなかった。
単にデートして楽しい。といった感情。
こんな奇妙な散歩が3回ぐらい続いたと思う。お互い家が近いということもあって、
クラス全体の飲み会のときにいっしょに帰ったり、とにかく2人で話すことが機会が多くなった。
ある日二人で夕食を食べようという話になった。正直このとき「何かあるかもしれない」ということは覚悟していた。
私は、日本に彼女がいるということをいわなければならないかもしれない。これを言うことでこの楽しいデートが消滅するのではないかと。
しかし、ここでの会話は普段通りであった。内心拍子抜けしたし。同時に安堵もあったと思う。この関係が続けられる。そうとしか思ってなかった。
彼女が年上ということもあり、夕食はすべて彼女持ちであった。
女性から奢られる経験は初めてなもので、その大人びた振る舞いに少し心が揺らいだのかもしれない。
しかしこういう海外の方と接するとき、「日本人として振る舞いを」と思ってしまうのである。
日本の男は女性によくしてもらってそのままなのかと。
そう思われたくなかった。なので、「今度ご飯奢らせてね」といった。
すると「日本で刺し身をおごってね」と言われた。口でもLINEでも。
日本に来ると匂わせる内容。
うれしい。相手に気に入ってもらい、相手が私に会いにくる。
人に気にいられることは本当にうれしいものである。
滞在最終日、彼女は先にアメリカ旅行に旅立つとのことだった。
お互いに限られた時間。家から近いスターバックスで会話する。
好きな本の話だとか、韓国の若者事情だったと思う。
私は語学学校の卒業式にでるため、学校に戻る。そこでは同じ大学のメンバーと前祝いをする予定で早めにいく予定であった。
彼女は、大学の写真を撮りたいとのことであったため、最後のバス移動をするわけである。
会話は何もなかったと思う。
大学に着いて、いよいよ別れのとき。お互いハグもなかった。
非常に淡白な別れであったとおもう。彼女がバス停の先に見えなくなるのをずっと手で振っていた。
いい経験させてもらったな。この気持でいっぱいであった。
日本に来てもらうのではなくて、こっちから韓国に行って感謝したい。そう思っていた。
手をふっていたところ、大学の友人が来た。行き場の失った手は、髪の毛をイジる動作へと変化した。